画像・映像処理技術2

多視点ハイビジョンシステム

 被写体を取り囲むように配置した複数のハイビジョンカメラを切り替えて表示することにより、例えばスポーツ選手のダイナミックで立体感のある映像を生成することができるシステムです。

【特  長】
 ・ 時間がフリーズした状態で、あたかも一台のカメラが被写体の周囲を回りこむような映像を生成します。
 ・独自開発の画像補正処理により、滑らかな映像切替を実現しています。
 ・準リアルタイムで精度よく生成でき、スポーツ生中継などでの利用が可能です。

【利用分野】
 ・スポーツ生中継などの映像制作

MutiCam.png

【技術解説】
 多視点ハイビジョンシステムは、スポーツなどの決定的な場面の映像を、生放送で視聴者にわかりやすく伝えることを目的として開発されました。ハイビジョンカメラ映像を切替え表示することで、あたかも一台のカメラが被写体の周囲を回りこむような映像(ここでは「多視点映像」と呼ぶことにします。)を生成します。放送現場での運用性や即応性を重視した実用的なシステムです。

(1)システム構成
 システムは主に12 台のハイビジョンカメラと3 台のPC で構成されています。ハイビジョンカメラには、外部同期入力とHD-SDI 信号出力が可能なカメラを使用しています。カメラの非圧縮映像をPC に搭載されたフレームメモリに同期収録します。収録した映像に画像補正処理を施し、多視点映像を生成します。

(2)画像補正処理
 多視点映像を生成する際、各カメラの注視点と画角が揃っていないと、切替え時に映像の" がたつき" が生じます。そこで、画像処理によって各カメラの注視点と画角を補正しています。
 注視点は実空間中の点としてオペレーターがカメラ映像上で指定することができます。指定した注視点が画面中心となるように射影変換処理を施すことで、各カメラの注視点を一致させます。さらに、各カメラから注視点までの距離を計算し、その距離に応じて画像サイズを補正することで、カメラ毎の被写体の大きさを揃えています。これらの処理は、PC のグラフィックボードを利用して行っており、3 秒程度のシーンであれば5 秒程度で処理することができます。

(3)実施例
 体操競技、アマチュア相撲、ロボコンなどNHK の番組の中で多数利用されています。

【提供可能な技術】
 ・複数のカメラの映像切り替えを滑らかにするための画像補正処理およびプログラム
 ・画像補正処理を高速に実行するための計算プログラム
 ・生中継などで利用するためのシステム構築技術

【関連特許】
 ・特開2016-105577 カメラモデルパラメータ推定装置及びそのプログラム
 ・特開2016-219968 多視点映像表現装置及びそのプログラム
(上記のリンクは開放特許DBにリンクしており、NHKエンジニアリングシステムのWebサイトから離れます)


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