伝送技術

MMT によるコンテンツ配信技術

 テレビ、スマートフォン、タブレットなどの複数の端末に、マルチアングル映像などの異なったコンテンツをMMT(MPEG Media Transport)を用いてIP 配信することにより、それぞれのコンテンツを受信側で高精度に同期させて提示できます。

【利用分野】
・ 複数映像・複数端末を同期させるデジタルサイネージ
・ マルチスクリーン向けの映像コンテンツ配信
・ スポーツや音楽イベントなどでのマルチカメラ映像のパブリックビューイング
・ 音楽演奏における楽器ごとの音合わせのための練習用コンテンツの再生

【特  長】
・ 映像はもちろん、音声も高精度に同期させて提示することが可能です。
・ テレビ、スマートフォン、タブレットなど各種端末に対応します。
・ 連動した複数の映像により構成されるマルチスクリーンコンテンツのタイミング調整が容易に行えます。
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【技術解説】
 MMT とは映像・音声などのコンテンツを放送や通信で伝送するための信号多重化方式です。MMTを用いて複数のコンテンツを配信することにより、受信端末で映像・音声などのコンテンツを提示するタイミングを指定できます。
 例えば、カメラアングルが異なる複数の映像コンテンツを伝送遅延が一様でないIP ネットワークで配信しても、受信側でコンテンツの同期合わせを正確に行なうことができるため、これらのコンテンツを切り替えたり、複数のディスプレイに同時に表示したりしても、違和感なく視聴することができます。
 MMT は、連動する複数の映像コンテンツを多様な端末やマルチディスプレイに同期して提示することにより、新たなコンテンツの楽しみ方や表現方法を提供する技術として期待されています。

(1) コンテンツの同期提示
 MMT では、世界標準時刻であるUTC(Coordinated Universal Time)に基づくPTS(Presentation Time Stamp)をコンテンツとともに送信し、受信端末は自身がもつ時計の時刻とPTS とを照合します。これにより、それぞれの受信環境に応じた伝送遅延時間を把握でき、所望の時刻にコンテンツを提示することができます。
 下図に、受信端末が2台の場合の例を示します。受信端末1 および受信端末2 では、PTS から把握した自分の端末への伝送遅延時間を基に、コンテンツを提示できる時間が求まります。その情報を受信端末間で通信し、遅延時間の長い方に合わせるように両端末で提示時間を調整することで、端末間同期提示を実現しています。受信端末が3 台以上の場合は、一番長い遅延時間に合わせるよう全体に制御が働きます。

(2) MMT 対応受信アプリケーション
 テレビ、タブレット、スマートフォンなどの端末でMMT を受信できるアプリケーションを開発しました。これにより、アプリケーションに対応したOS と映像・音声の復号機能を搭載した端末であれば、既存の端末でMMT 信号の受信機能を追加することができます。

70a-2.PNG【提供可能な技術】
・ 複数の映像・音声をMMT で低遅延に配信する送信プログラム
・ テレビ、スマートフォン、タブレット用の受信アプリケーション

【関連特許】
・特許第6234152号 受信装置およびプログラム
(上記のリンクは開放特許DBにリンクしており、NHKエンジニアリングシステムのWebサイトから離れます)


≪キーワード≫ デジタルサイネージ / マルチスクリーン / 同期再生 / 映像配信