画像・映像処理技術2

HDR映像のSDR化技術

高ダイナミックレンジ(HDR)規格に対応した映像を、従来の標準ダイナミックレンジ(SDR)の映像に変換する技術です。

【利用分野】
・ HDR コンテンツの特徴を生かしたSDR コンテンツへの変換
・ HDR コンテンツのSDR の番組への利用
・ HDR コンテンツとSDR コンテンツの一体化制作

【特  長】
(1) SDR 変換後の人物の肌レベルを改善できます。
(2) HDR 映像で表現できるハイライトの階調をSDR でもなるべく再現し、白とびを抑制できます。
(3) 三次元ルックアップテーブルを用いてリアルタイム処理で変換できます。
(4) HDR 映像で表現できるハイライトの色を、SDR でどのように表現するか調整することができます。
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【技術解説】
 現行のハイビジョン(HDTV)よりも格段に広いダイナミックレンジを表現できる高ダイナミックレンジ(HDR:High Dynamic Range)で制作されたコンテンツを、従来の標準ダイナミックレンジ(SDR:Standard Dynamic Range)の放送でも使用するためには、ダイナミックレンジの変換が必要となります。本技術を用いることにより、HDR 規格に対応した映像を、番組制作者の制作意図を反映したSDR 映像に変換することができます。

(1) ダイナミックレンジ変換カーブの改善
 ITU-R のレポートBT.2408 には、HDR での基準白が、SDR 変換後にSDR としての白になるようなゲイン処理を行うことで実現する方法が記載されています。しかし、この方法では、映像を構成する上で重要な印象要因の一つである人物の肌レベルが暗くなるだけでなく、HDR では表現可能であったハイライトの階調がSDR では再現できずに白とびする課題があります(図の黒実線が変換例)。本ダイナミックレンジ変換技術のアルゴリズムは、従来の変換で実現していた基準白の対応は保持しつつ、変換パラメーターを調整することで制作意図に応じた変換が可能になるように設計されており、SDR 変換後の人物の肌レベルを改善しつつ、白とびを抑制できます。(図の赤実線が本技術の一例)。
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(2) 入力HDR 信号に応じたパラメーターの設定
 ハイライトの色再現を決定するパラメーターと、肌レベルや白レベルを決定するパラメーターを設定することにより、入力されたHDR 信号に適したSDR 信号を生成することができます。これにより、HDR 映像で表現できるハイライトの色を、SDR でもなるべく再現するか、白に近い再現にするかを番組制作者の制作意図に応じて調整できます。また、三次元ルックアップテーブルを用いたリアルタイム処理が可能なので、HDR とSDR の一体化制作を容易に実現できます。

【提供可能な技術】
・ ダイナミックレンジ変換方法
・ ダイナミックレンジ変換に用いる三次元ルックアップテーブルのデータ
・ ダイナミックレンジ変換関数のパラメーター
・ ダイナミックレンジ変換に関する技術解説


≪キーワード≫ ダイナミックレンジ変換 / 標準ダイナミックレンジ(SDR) / 高ダイナミックレンジ(HDR)