撮像デバイス技術

高感度な光電変換膜の作製技術

 撮像デバイスに適用可能な、結晶セレン光電変換膜の作製技術です。高感度で混色の少ない高精細単板カメラの作製に応用することができます。

【利用分野】
・ 結晶セレン膜積層型撮像デバイスの作製
・ 高感度、低混色な可視光用撮像デバイスの作製

【特  長】
(1) 可視光全域に高い感度を持つ結晶セレン膜を用いて、光検出を行うことができます。
(2) 微細画素でも隣接画素間の混色(クロストーク)を低減することができます。
(3) 低温で作製できるためCMOS 信号読み出し回路上に直接作製することができます。

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【技術解説】
 8K スーパーハイビジョンをはじめとしたカメラの高精細化・小型化に伴い撮像デバイスの画素の微細・高集積化が進むと、1画素あたりに入射する光量が少なくなり、撮像デバイスの感度低下が生じます。本技術は、従来の撮像デバイスの受光部材料であるシリコンよりも高い光吸収特性を持ち、可視光全域に感度を持つ結晶セレン光電変換膜の作製技術です。さらに、大きなバンドギャップを持つ酸化ガリウムを正孔ブロッキング層として用いることで、ノイズの要因となる暗電流(光遮断時に出力される電流)の低減が可能です。

(1) 光電変換層である結晶セレン膜の作製技術
 高感度な撮像デバイス用の光電変換層には、高効率(光照射に対して取り出せる光電流の効率が高いこと)かつ低暗電流(光遮断時の出力電流が低いこと)な特性を得るため、結晶性が高く、表面平坦性に優れた光電変換膜が求められます。結晶性が高く、表面平坦性に優れた結晶セレン光電変換膜の作製に必要な技術を提供することができます。

(2) 正孔ブロッキング層である酸化ガリウム膜の作製技術
 正孔ブロッキング層には、外部電極からの電荷の注入を防ぎ、暗電流を低減するための大きなバンドギャップが求められます。低温形成が可能で、大きなバンドギャップを持つ酸化ガリウム膜を作製することができます。

(3) CMOS 信号読み出し回路上への作製
 全ての作製工程が200℃以下で行われるため、CMOS 信号読み出し回路上に結晶セレン光電変換膜を直接作製することができます。これにより、光開口率100% も実現することができ、高感度な撮像デバイスが実現可能です。また、結晶セレン膜を薄くできる(500nm 以下)ことから、隣接画素間の混色(クロストーク)の防止や、斜入射光に対する感度特性の大幅な改善が期待できます。
 さらに光電変換膜上部にカラーフィルターを形成することでフルカラー化にも対応できます。これらの技術により、高感度・低混色な可視光用高精細撮像デバイスを実現することができます。

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【提供可能な技術】
・ 光電変換層である結晶セレン膜の作製技術
・ 正孔ブロッキング層である酸化ガリウム膜の作製技術

【関連特許】
・ 特開2015-225886 光電変換素子、光電変換素子の製造方法、積層型固体撮像素子および太陽電池
・ 特開2018-85381 光電変換膜、光電変換膜の製造方法、光電変換素子
・ 特開2019-36693 光電変換素子およびその製造方法
(上記のリンクは開放特許DBにリンクしており、NHKエンジニアリングシステムのWebサイトから離れます)


≪キーワード≫ 低混色 / 撮像デバイス / 積層 / 結晶セレン膜 / 酸化ガリウム膜 / 高感度