NHK技術カタログ

有機ELディスプレイの高画質化

有機ELディスプレイのホールド型表示による「動画ぼやけ」を改善するための技術です。この技術を用いることで、有機EL素子の寿命劣化を抑えながら動画質を改善することができます。

利用分野

・ 有機ELテレビ
・ 有機ELを利用した各種のディスプレイ、スマートフォン、タブレットなど

特長

1. 動画ぼやけの発生を抑制し、動いている物体をくっきりと表示することができます。
2. 有機EL素子の寿命劣化を抑制することができます。

技術解説

大画面ディスプレイに使用されるアクティブマトリックス方式の有機 EL ディスプレイでは、1 フレーム内で発光が持続するホールド型表示を行っています。ホールド型ディスプレイで動く物体を表示すると、その動きを滑らかに追う視線の動きとずれが生じるため、動画ぼやけが視認されてしまいます。このぼやけを抑えるためには、1 フレーム時間内の発光時間を短くする方法があります(図 1)。しかし、例えば 1 フレーム時間内の発光時間を半分にした場合、1 フレーム時間を通して発光した場合と同じ明るさで映像を表示するためには、2 倍の強さで発光させる必要があり、有機 EL 発光素子の寿命が加速的に劣化してしまいます。そこで、動画質と寿命を両立するための「時間アパーチャー適応制御駆動技術」が有効となります。

1. 高画質・長寿命化に適した発光時間制御技術
連続するフレーム間での映像の動き量を計算し、一定以上の動きのある領域を動領域とし、それ以外を静止領域として領域分割します。動領域では、発光時間を短くすることで、動画ぼやけの発生を抑制して動画質を向上させます。一方、静止領域では、発光時間を長くすることで、瞬時輝度を低く抑えて寿命劣化を抑制します。このような技術を用いた効果的な発光時間制御手法のノウハウを提供することが可能です。

2. 駆動回路・ドライバ設計技術
有機 EL ディスプレイにおいて1フレームの発光時間を制御するためには、駆動回路から制御信号を送り、駆動ドライバでの駆動波形の生成が必要になります。これらを実現するための駆動回路および駆動ドライバを独自に設計しました。

提供可能な技術

・ 画質と寿命を両立するための効果的な発光時間制御技術
・ 駆動回路、駆動ドライバの設計技術

関連特許

特許第6494175号 画像表示装置
・特開2016-170385 画像表示装置
・特開2017-122777 画像表示装置
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≪キーワード≫ 動画質 / 寿命 / 時間開口率 / 有機EL / 駆動技術