NHK技術カタログ

広色域表色系から従来の表色系への変換技術

超高精細度テレビジョン(UHDTV)の広色域表色系の映像を、ハイビジョン(HDTV)の表色系 の映像に変換する技術です。映像の見た目に著しい変化を与えずに、色域を変換することが可能です。

利用分野

・ UHDTV 映像を活用した HDTV 番組の作成
・ UHDTV と HDTV での素材映像の共有化
・ UHDTV と HDTV の番組制作一体化

特長

1. 見た目の色合いを変えることなく、テクスチャを保存しながら、自然に変換できます。
2. 三次元ルックアップテーブルを用いたマッピング装置で実装します。
3. カラーバーやプルージュ信号などの基準映像も規定通りに変換します。
4. 変換後に彩度が過度に減少することを防ぎます。
5. 変換後の映像は、明度・彩度・色相の連続性が保たれます。

技術解説

超高精細度テレビジョン(UHDTV)では、三原色がスペクトル軌跡上に位置した広色域表色系(ITU-R 勧告 BT.2020 広色域)を用います。一方、ハイビジョン(HDTV)では、これよりも狭い従来の色域表色系(ITU-R 勧告 BT.709 色域)を用いています。

広色域表色系の映像を従来の色域表色系の映像に色域変換する単純な方法として、広色域 RGB 値にリニアマトリクスを乗算することにより従来の色域 RGB 値に変換し、従来の色域表色系において表現 可能なレンジ外のRGB値をクリップする方法が知られています。しかし、この方法は人間の知覚特性に基づく色空間上の変換ではないため、変換によって色相や明度が不自然に変化し、テクスチャが失われやすいという欠点があります。

本色域変換技術のアルゴリズムは、人間の色の見え方を予測するカラーアピアランスモデルを応用し、 色域外の色を見た目の色合いを変えることなく、従来色域で再現できる色にマッピングします。また本技 術では、明度を変えてマッピングすることにより、過度な彩度の減少を避け、テクスチャを保存しながら 自然な色域変換を実現します。カラーバーやプルージュ信号などの基準映像も規定通りに変換します。

また、本アルゴリズムは、三次元ルックアップテーブルを用いたマッピング装置で実装するため、色域変換時の計算量も低減できます。

提供可能な技術

・ 色域変換の方法
・ 色域変換に用いる三次元ルックアップテーブルのデータ
・ 色域変換に関する技術的な解説
・ 双方の表色系で利用可能なカラーバーと、これを用いる場合の色域変換方法

関連特許

特許第6374743号 色域変換装置および色域変換方法
・ 特開 2016-66354 色域変換装置および色域変換方法
・ 特開 2016-67002 色域変換装置および色域変換方法
・ 特開 2016-82388 カラーバー生成装置および信号変換装置
・ 特開 2016-139096 信号変換装置及びプログラム
(上記のリンクは開放特許DBにリンクしており、NHKエンジニアリングシステムのWebサイトから離れます)

≪キーワード≫ カラーアピアランスモデル / 三次元ルックアップテーブル / 色域変換