NHK技術カタログ

音響品質の主観評価技術

音響機器の開発において、人間が音質の良し悪しを判断する主観評価が重要な役割を果たしています。主観評価実験の方法については、ITU-R(国際電気通信連合無線通信部門)勧告などを参照することができますが、その実施においては経験に基づくノウハウが必要です。主観評価実験の計画立案から結果分析にわたる一連の作業についてアドバイスします。

特長

・音響品質の主観評価実験の目的に応じた計画立案、準備、実施、データ処理、結果の分析に関する具体的方法をアドバイスします。

利用分野

・音響機器の音質評価
・デジタル信号処理をされた音響信号の品質調査

技術解説

音響品質の主観評価は、人間が知覚する音響信号の品質を定量化するための方法です。放送番組の制作や伝送の過程において、所望の音響信号の品質を保つことのできる符号化手法を選択したり、そのパラメーターを決定したりするために音響品質の主観評価が行われてきました。今後も音響伝送装置、音響信号処理装置、音響再生システムなどを開発する際に、音響品質の主観評価は重要な方法であり続けると考えられます。
音響品質の主観評価法については、ITU-R の勧告BS.1116 およびBS.1534 ならびに関連する勧告によって規定されています。主観評価実験にあたっては、目的に適合する方法、条件、評価音源を選定することが重要です。さまざまな要因が評価結果に影響を与える可能性があるため、評価の目的以外の要因の影響を最小限にするための工夫も必要となります。また、十分な人数の評価者を集めて、効率的に実施することも望まれます。さらに、評価実験の結果は、統計的な分析を経て、適切に整理・表現する必要があります。
このように、音響品質の主観評価実験を実施するうえでの具体的な方法について、長年の経験に基づくノウハウを保有しています。ごくわずかな音の違いを評価できる高品質なオーディオ主観評価法と、比較的わかりやすい音の違いを評価できる中品質なオーディオ主観評価法に関して、これまでの実施例を引用しながら、NHK が実際に評価実験で使っている機材の使用方法も含めた解説や、評価実験の設計に関する技術指導を行います。

提供可能な技術

・主観評価実験実施のための計画とデータ分析技術
・音響符号化研究や各種聴覚研究の経験に基づく知見

≪キーワード≫BS.1534 / 勧告ITU-R BS.1116 / 音響符号化